舌が白いのは体調不良のサイン?原因と対処法を徹底解説

舌が白い原因と体調不良の関係

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

舌の状態は健康状態を映し出す鏡と言われています。特に舌が白くなることは、体調不良のサインである可能性が高くなります。舌が白くなる原因は様々で、一時的なものから深刻な病気が潜んでいる場合もあります。舌が異常に白くなった時は、軽視せずに原因を探る必要があります。

本記事では、舌が白くなる主な原因と、白い舌が示す可能性のある病気について解説します。また、自分で舌の状態をチェックする方法と、舌が白くなった時の対処法も紹介します。

健康な舌の見た目も合わせてご紹介しますので、ご自身の舌と比べながらチェックしてみてください。舌の状態から体の内側の状況を知ることができ、早期発見・対策につながります。

舌が白くなる主な原因

免疫力の低下

日頃の生活習慣や環境ストレス、加齢などの影響で免疫力が低下すると、口腔内の常在菌が異常に増殖しやすくなります。その結果、舌の上に白い苔ができやすくなるのです。免疫力が低下していると、口内炎や歯周病、真菌症なども併発しがちです。

口腔内の細菌増殖

舌苔は主に細菌の塊であり、細菌が異常に増えると舌が白くなります。原因となる細菌は、常在菌の他、虫歯や歯周病菌、真菌なども考えられます。口腔内の衛生状態が悪く、歯みがきが不十分だと細菌が繁殖しやすくなり、舌に白い被膜ができてしまいます。

ストレスや疲労

ストレスを溜め込んだり、睡眠不足や過度の疲労が続くと、自然と免疫力が低下します。それによって口腔内の細菌バランスが崩れ、舌苔が過剰に付着するようになるのです。ストレス性の胃腸障害も舌苔の増加に拍車をかける可能性があります。

胃腸の不調

胃腸の消化不良や機能障害が続くと、舌の状態にも影響が出ます。胃液の逆流による刺激で舌が荒れたり、細菌が繁殖しやすくなり白い苔ができます。胃腸の調子が悪いと、免疫力の低下やストレス増加にもつながり、舌苔がさらに増えていく負のサイクルに陥ります。

舌の状態から分かる体の疲れ具合や栄養状態

舌の色調や苔の量、質から、体の疲れ具合や栄養状態を推測することができます。以下にその傾向を解説します。

ストレスや疲労の目安

・舌全体が濃い白や灰白色の場合は、ストレスや疲労がたまっている可能性が高い
・苔が厚くていつまでも取れない場合も、体が慢性的に疲れている傾向
・舌が乾燥して痂皮ができている場合は、深い疲労の徴候

免疫力や栄養バランスの目安

・舌が鮮やかなピンク色の場合は、免疫力が高く栄養状態も良好
・舌の色が極端に赤い場合は、熱があったり栄養が偏っている可能性
・舌に黒っぽい点々が見られる場合は、体内の老廃物が溜まっている兆候
・舌が黄色がかっている場合は、肝臓や胆のう系の障害が考えられる

その他の特徴

・舌の周りにくっきりとした歯形の圧痕がある場合は、ストレスがたまっている証拠
・舌の先端が尖っている場合は、栄養不良やビタミン欠乏の可能性
・舌に地図状の模様がある場合は、消化器系の不調を示唆している

このように、舌の状態を観察することで、体の内側の状況を簡単にチェックできます。定期的に舌の変化を確認し、異常が見られた場合は専門家に相談しましょう

舌が白い時に疑われる病気

舌癌

舌が一部分だけ白く濃い苔ができていたり、白い部分が固くなっている場合は舌癌の可能性があります。舌癌は比較的まれな癌ですが、放置すると転移する危険性があります。白い部分に痛みや腫れがあれば要注意です。長期間改善がない場合は、早めに医師の診断を受けましょう。

真菌症

口腔内の真菌(カンジダ菌など)が異常増殖すると、舌全体が白くなったり、舌の奥に白いコブレタができたりします。真菌症は高齢者や免疫力の低下した人に多く見られます。舌が痛む、赤くなる、ひび割れるなどの症状もあります。持続する場合は抗真菌剤の投与が必要です。

貧血

鉄分や vitamin B12、葉酸などが不足すると貧血になり、舌が異常に白くなることがあります。舌の白さが広がる一方で、ピンク色が薄れてくる傾向にあります。口内炎や吐き気なども起こりがちで、重症化すると舌の痛みや味覚障害の症状も出ます。

肝臓病

肝機能障害では、舌が黄色がかった白色になることが特徴です。肝臓の病気が進行すると、全身に黄疸(黄疸)がかかり、舌の色調にも現れてきます。舌の色調変化に加え、体重減少や吐き気など全身症状もチェックしましょう

舌が白い場合のセルフチェック方法

舌の色や苔の状態を確認

まずは鏡で舌全体の色調や苔の付き具合をチェックしましょう。健康な舌は淡いピンク色で少し白い苔がついている程度です。濃い白や黄色がかった白、部分的に異常に白くなっている場合は要注意。苔の量が多すぎたり、ただれや出血がみられれば病的な可能性があります。

舌の痛みや腫れを確認

次に舌に痛みや腫れ、しこりなどの異常がないかを確認しましょう。一部分の痛みや腫れは舌癌の疑いがあり、舌全体が痛む場合は真菌症などの可能性があります。

口臭の有無を確認

舌が白く濃い苔がついていると、細菌の増殖により口臭が強くなる傾向にあります。口を開けた状態で自分の口臭をかぐのは難しいので、手の甲に息を吹きかけて確認するのがおすすめです。強い口臭は問題があることを示しているので、口内の衛生状態を改善する必要があります。

以上のセルフチェックで異常が見つかったら、一旦歯科や内科を受診し、専門家に相談することが大切です。早期発見・早期対処が何より重要となります

舌が白い時の対処法

舌クリーナーでの清掃

舌が白くなった時の第一の対処は、舌クリーナーで舌の清掃を行うことです。舌クリーナーは舌に沿ってこすり、舌苔を除去します。毎日の歯みがき後に行うと効果的です。舌クリーナーがない場合はブラシの裏側でも代用できますが、舌を傷つけないよう注意が必要です。

口腔ケア習慣の見直し

舌が白くなる原因は口腔内の衛生環境の悪化が大きいため、徹底した口腔ケアが重要になります。歯みがき、舌の清掃に加え、一時的にうがい薬の使用も効果的でしょう。加えて、食事や喫煙、適度な水分補給など、生活習慣全般の見直しをおすすめします。

医師への相談

上記の対処を続けても舌の白さが改善されない場合は、一旦医師に相談する必要があります。特に白い部分に痛みや腫れ、しこりなどの異常がある場合は要注意です。舌癌や真菌症、貧血や肝臓病などの可能性を専門家に診てもらい、原因に応じた治療を受けましょう。

自己判断は危険です。舌の状態に気づいたら早めの対処が何より大切です。上記の対処法を試しつつ、改善が見られない場合は必ず医療機関を受診し、原因の特定と適切な治療を受けることをおすすめします

健康な舌の見た目

ピンク色で湿っている

健康な舌は全体がきれいなピンク色をしており、つやがあり湿った状態を保っています。ピンク色は舌の粘膜から出る血色で、ムラがなく均一な淡いピンク色が理想です。舌が乾燥して白っぽくなったり、一部が赤く腫れ上がっていれば異常があると判断できます。

少し白い苔がある程度

健康な人でも舌の上に少し白い苔がついているのは正常です。これは古くなった舌の上皮細胞や常在菌、食べかすなどが付着しているためです。しかし、苔の量が多すぎたり濃く付着していれば何らかの異常が考えられます。健康な舌は舌の周りにうすい白い縁取りがある程度が適量です。

舌の色調や苔の付き具合を日頃から観察しておくことが大切です。自分の健康な時の舌の見た目を知っておけば、異常に気づきやすくなります。極端な白さや乾燥、一部の異常な赤み・腫れなどに気をつけて、変化に素早く対処しましょう。

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